新型インフルエンザのワクチンは、厳密には
新型インフルエンザウイルスが発生しないと
製造することができません。
現時点では、新型インフルエンザウイルスは
存在していませんので、ワクチンもありません。
ウイルスの正確な種類がわからないということから、
現在流行しているウイルスのワクチンを備蓄しても
意味がないという意見も、以前はありました。
しかし、最近の研究では、
H5N1ウイルスが多少変異しても、
現在のH5N1ウイルスで作成したワクチンは
効果があるという根拠が得られています。
日本を含む先進諸国では、
ベトナムで流行したA/H5N1亜型インフルエンザウイルスを元に
ワクチン用に開発された種ウイルスから
A/H5N1亜型のインフルエンザウイルスのワクチン
開発しています。
日本では2006年から2007年にかけて
臨床実験が行なわれています。
しかし、ベトナムで発生したA/H5N1亜型と
パンデミックが発生したときのウイルスでは
抗原性は変化していると考えられます。
現在開発されたA/H5N1型ワクチンが
パンデミックになったときのインフルエンザウイルスに
効果があるかどうか、わかりません。
したがって、現在すでに開発されている
A/H5N1ワクチンを
「プレパンデミックワクチン」と呼ぶことにしました。
新型インフルエンザが大流行する前(パンデミック前)に
に使用するワクチンという意味です。
「プレパンデミックワクチン」は
新型インフルエンザ用のワクチンではありません。
パンデミックになった際に、そのときのウイルスを元に
「パンデミックワクチン」を製造しなければなりません。
WHOや各国の考え方としては、
新型インフルエンザの大流行の初期には、
「プレパンデミックワクチン」(現在開発したワクチン)を使用し、
パンデミック時には、ワクチンが開発された段階で
「パンデミックワクチン」に切り替えるというのが主流です。
これまでは、ワクチンの製造は、ウイルスが発見されてから
6ヶ月以上もかかっていました。
鶏の受精卵を使用してワクチンを製造してましたので、
ワクチンの製造量にも限界がありました。
しかし、最近では、細胞培養によってワクチンを製造する
方法も開発されたことから
・製造期間の短縮
・製造量の増加
が期待されています。
パンデミックワクチンは、パンデミックが発生しないと
製造できません。
しかし、「プレパンデミックワクチン」を
接種することで、基礎免疫をつけることができます。